瓦と屋根の豆知識
一口に瓦屋根と言っても、使われている瓦の種類や屋根の形状、瓦の葺き方など、お家によって様々です。
ここでは瓦の補修や、屋根の修理を依頼する時や、新築や屋根リフォームを検討する時などに知っておくと役立つ情報を分かりやすくご紹介します。
メーカーによって商品名は異なりますが○形の部分は
全メーカー共通ですので、覚えておくと何かと便利です。

J形瓦
JはJapanの意。昔ながらの和風の瓦で和瓦、和型とも呼ばれています。釉薬(ゆうやく)により黒や赤などの色が付いていますが、塗装ではないので色落ちしません。

いぶし瓦
形はJ形瓦と同じですが、銀色が特徴の和瓦です。釉薬(ゆうやく)を使わず焼き上げ、最後に燻(いぶ)して炭素を付着させることで銀色になります。

F形瓦
フラットな形状なのでF形瓦と呼ばれています。またの名を平板瓦(へいばんがわら)とも呼ばれており、和風、洋風どちらのお家の屋根にも相性がいい万能タイプの瓦です。

M形瓦
瓦を横から見るとM字型に見えることからM形と呼ばれます。桟山が2つあることから二つ山(ふたつやま)とも呼ばれ、洋館風デザインに美しく調和します。

S形瓦
スパニッシュ瓦のSをとってS形瓦と呼ばれます。その名の示す通り、南欧風・プロヴァンス風テイスト溢れた屋根に仕上がるので店舗などでもよく採用されています。
これを知っておくと屋根の修理を依頼する時にとっても便利です。
瓦屋根は部位によって修理方法が異なり、場所によって使う瓦も違います。修理依頼の際に「どこ」にどんな不具合があるのかを具体的に伝えることができれば、瓦屋さんも修理の段取りや見積りがしやすくなり、修理完了までのスピードが大幅にアップします。
軒先部分は屋根の一番下側の部分です。
切妻屋根の場合は2ヶ所あります。
寄棟屋根の場合はグルっと一周、軒先部があります。

切妻屋根の両サイドの部分のことを袖部(そでぶ)と言います。
またの名をケラバ部ともいい、軒先部から大棟部へと斜めに上がっていく部分です。

屋根の一番高いところで、地面と水平に走っている部分を大棟部(おおむねぶ)と言います。
※本棟部(ほんむねぶ)と呼ばれることもあります。

棟部は棟部でも、寄棟屋根の時だけ出てくる斜めの部分を隅棟部(すみむねぶ)と言います。屋根面が山折りになっている部分です。

隅棟部の山折に対し、屋根が谷折りになっている部分のことを谷部と呼びます。
雨が降った時、屋根面の水がこの谷部分に集まってくる形になるので、防水処理を入念に行う必要があります。

2階建て住宅の一階部分の屋根や屋根と壁がぶつかる部分のことを壁際部(かべぎわぶ)と言います。
地面と水平になる平行壁(へいこうかべ)と、斜めに上がっていく流れ壁(ながれかべ)に分かれます。
平行壁と流れ壁では使う副資材などが違うので、呼び分けしています。
平行壁部(へいこうかべぶ)
地面に対して、水平に壁と屋根がぶつかる部分を平行壁部と呼びます。

流れ壁部(ながれかべぶ)
平行壁部と横の壁とがぶつかる部分のことを流れ壁部(ながれかべぶ)と言います。
壁と斜めに当たり登っていく部分のことです。
こちらも防水処理を入念に行わなければいけない箇所です。

新築やお家を建て替える際に工務店さんとのやり取りで大変なのは、あなたご自身のイメージを伝えることだと思います。
打ち合わせで「こんな感じの屋根にしたい」と伝えたのに上手く伝わっていない・・・こんなことがトラブルやストレスに繋がることも少なくありません。
そんなとき建築業界の誰もが分かる共通言語で屋根のイメージを伝えられれば、打ち合わせがぐっとスームズになるだけでなく、双方の認識違いによるトラブルも回避できます。
ここでは代表的な屋根の形状の種類と呼び名をご紹介しますので、打ち合わせの際にぜひお役立てください。
